ベストアルバムは誰のため?

ベストアルバム。

今ではたくさんのアーティストが当たり前のように出すけれど、自分が若かりし頃はそんなに出てなかったような気がする。

ベストアルバムがたくさん発売されるようになったのは自分の中ではB'zの「Pleasure」が爆発的ヒットをしてからのような気がする。

インターネットで調べたら500万枚以上売れてるから、そりゃあもの凄い大ヒットですな。

で、このベストアルバム。

いったい誰が喜ぶんでしょうか?

だいたいベストアルバムに収録してある曲っていうのはシングルカットされている曲が多いんではなかろうか。

これはどういう事かというと、ベスト盤にはお得感を出したいということなんじゃなかろうか。

一枚に有名なあの曲やこの曲も入ってお得ですよと。

それとも、アーティストを代表する曲っていうのはやっぱりシングルカットされてる曲ってことなのか。

なぜベストアルバムについて書いているかというと、大好きな秦基博が10周年記念でベストアルバムを出したからである。

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秦基博を知ったのはセカンドシングルの「鱗」からで、初めて聴いた時にはとても素晴らしい声と曲で感動した。

10周年は素直におめでとうと言いたい。

素晴らしい歌をたくさんありがとう!

 

しかしである。

秦基博というアーティストの真骨頂は弾き語りである。

そして、そう言った意味ではすでに弾き語りのベストチックなアルバムを二枚出しているし、セルフセレクションなるアルバムも出しているのである。

 

BEST OF GREEN MIND’09

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10周年は確かにおめでたいが、ベストアルバムを出す必要があるのか?

収録曲はどれもよく知った曲だし、今更ながら買う必要が無い。

いや、秦君のためにも買ってあげたいのはやまやまなんだよ?

お金が湯水のようにあるのであれば、AKBの総選挙の如く何十枚でも買ってあげたいんだよ!

でもお小遣い制サラリーマンである当方としては、すでに知っている曲ばかりのアルバムを買うほどお財布に余裕は無い。。。

昔からの大ファンであれば同じ心境なのか?

それともご祝儀として大盤振る舞いしちゃうのか?

 根っからのファンはどっちなんだろう?

 自分としてはベストアルバムなんかよりも、早く新曲や新しいアルバムを渇望するのである。

しかし、商業的にはやはり10周年という記念すべき年にはベストアルバムなんぞを出して、これまでのファンだけでなく新しいファンを掴むという意味でやはり必要なのかなぁ。

にわかファンや、ドラえもんの映画の人!っていうぐらいの人達には確かにベストアルバムというのはそのアーティストとなりを知ってもらうには確かにいいのかも。

でもねぇ。

やっぱ根っからのファンというのは売れ出すと悔しくなる心境もあるし、もっと良い曲たくさんあるんだよ!って知ってもらいたい気持ちになっちゃう。

で、結局自分の中でベストがあるせいで、ベストアルバムがベストでなくなるという結果になってしまう。

本当に好きになってもらうには表面的にキャッチーな曲だけじゃなくて、もっとその奥にある部分を知ってもらいたいんだよ!

そんなことを知ってか知らずか、世の中にはいつの間にか裏ベストなるものも現れる始末。

昔でいうシングルのB面のみを集めたアルバムってことで、確かに普通のシングルの曲を集めたものとは違った感じになる。

後はファン投票で決めた曲を集めたベストとか。

もうベストなんでもありですな。

でも!

何度も言うが、昔からのファンというのはそのアーティストの曲をほぼ全て知っているわけで、収録曲を変えようが何をしようが知っている曲ばかりなのである。

それに、アーティストっていうのは基本的にアルバム毎にテーマというかコンセプトみたいなものを決めて作っているんだと思う。

料理でいうと、メインばっかりだとやっぱり胸焼けを起こしてすぐに飽きてしまうと思う。

サラダがあり、小鉢があり、メインときてデザートもあることで料理全体のバランスが取れるんだと思う。

なので、それぞれのアルバム単位で聴くのがやっぱり一番いいのではないかとファンとしては思ってしまう。

結論として、ベストアルバムっていうのは昔からのファンのためっていうよりは記念的な、もしくは新しいファン獲得のためのものってことなのか。

少し捻くれた見方をすると、アーティスト側(本人がどうかは別にして)が曲の使い回しで楽に作れるっていうのもあるのかなぁとか思っちゃう。

もし全曲アレンジ変えて、録り直しとかだったら買う価値ありかも。

でもそれだと元々の曲のイメージと変わっちゃうのかなぁ。

まぁそれについてはもうこれ以上言うまい。

アーティストがどんなCDを出そうが、それは聴く側が選択すればいいだけのこと。

なんだかんだ言いながらGRAPEVINEのファーストアルバムがAppleMusicに無くてベストアルバムでお茶を濁している自分もいるわけだし、ベストアルバムも聴きたい人が買うなり何なりすればいいんすよね。

そんなわけで秦基博のベストアルバム。

今回は見送るけれど、収録されているのは良い曲ばかりなので、あまり知らない方は是非お手に取ってもらいたいものだ。

そして早く新しいアルバムを届けてくれるのを切に願うばかりである。