ないものねだり
あれはもう数年前だったか。
その頃の自分は通勤時にYouTubeでアーティストのミュージックビデオを見るのが定番だった。
何と無く見たそのミュージックビデオには冴えない男性とその彼女とおぼしき女性がチャーハンを食べる映像が流れていた。
なんでこのミュージックビデオにはこんな冴えない男を出しているのか。
髪型がもさくて目にかかりまくってるし。
もっとカッコいい俳優とか、バンド自体が出ればいいのに。
そんな事を思いながらも、キャッチーな曲や歌詞に惹かれ、映像を眺めていて気付いた。
この冴えない男がバンドのボーカルであるという事を。
そしてこの時、自分が如何に固定観念に囚われていたのかを思い知った。
バンドマンはみんな容姿がカッコいいわけではないという事を。
ちなみにそれがKANA-BOONというバンドであり、流れている曲名が「ないものねだり」であった。
それからはKANA-BOONのアルバムを買ってライブにも行った。
夏フェスでも見て歓喜した。
「ないものねだり」はKANA-BOONのライブで盛り上がる定番の曲であった。。。
人はなぜ、ないものねだりをしてしまうのか。
そんな自分の毛髪は生まれてこの方どストレート。
働き出してからは柔らかくなってきたようだけれど、学生の頃なんて毛根に生命力が満ち溢れ、髪は天を突き刺さんとばかりに生えていた。
なので若い時は基本的には短髪にしてきた。
パーマなんて考えもつかなかった。
そんな自分は今、パーマをかけている。
なぜパーマをかけたのか。
ないものねだりである。
少しだけ髪が伸びたのをいい事に、この機会にとパーマをかけたのである。
あのクネクネっとしたのがカッコいいと思ってしまったのである。
パーマが成功したのかどうか。
毎朝、髪を濡らしワックスをつけてセットしなければならない。
めんどくさい。
子供からは変な髪型と言われる。。。
それでもとりあえず2ヶ月はパーマの状態を保ったので、パーマ代を勘案すると成功したと言っていいのかもしれない。
問題はこの状態をいつまで続けるのか。
また髪が長いままパーマネントをかけて状態を維持するのか。
いっそ前のようにバッサリと切ってスッキリするのか。
別にモテたいわけではない。
ただ、妻にはカッコいい男として見られたいだけなのだ。
そこにほんの少しだけ「ないものねだり」が混じっているだけなんだ。
back numberのボーカル見ながらパーマに憧れたっていいじゃない!
今週のお題「髪型」